適格機関投資家等特例業務の制度改正(まとめ)

本日、平成27年金融商品取引法改正等に係る政令・内閣府令案等が公表されました。

■金融庁
平成27年金融商品取引法改正等に係る政令・内閣府令案等の公表について
適格機関投資家等特例業務、特例投資運用業務に関する法改正が行われ追加届出が必要になります

こちらは今年5月27日成立(6月3日公布)しました
適格機関投資家等特例業務を行う業者に関する金融商品取引法の一部を改正する法律』
に係る政令・内閣府令案等となります。※なお、特例投資運用業務を行う方々にも適用されます。

当該法改正については、以前から進展がある度に触れさせていただきましたが、
政令・内閣府令案等が公表され、パブコメの募集がスタートいたしましたので、
改めまして、新規届出のみならず既存業者の方々も含め、
改正内容や対策等ご説明させて頂きます。

なお、法施行日や経過措置等により提出が必要となる書類については、
来年1月下旬に発表される予定です。(おそらく来春頃の施行になると思います。

施行日が、平成28年3月1日に決まりました。(追記:平成28年2月3日)

 

以下、主な改正内容について

①届出事項・添付書類の拡充等 b_simple_122_0M
新たな届出事項が追加されます。(一部抜粋)
 ・特例業務を行う営業所等の名称、所在地、電話番号、HPアドレス
 ・出資対象事業の内容、種別
 ・適格機関投資家の商号、種別、数
 ・外国法人である場合には、国内代表者の所在地、電話番号

提出する添付書類も追加されます。(一部抜粋)
 ・法人の場合:定款、誓約書、会社謄本や役員及び重要な使用人の履歴書、住民票、身分証明書、
        登記されていないことの証明書、個人誓約書等
 ・また、適格機関投資家がLPS(投資事業有限責任組合)の場合、
  出資合計額及び借入額を証する書面 ⇒ LPSは5億円の資産要件が設けられたため。
 

②欠格事由の導入(一部抜粋) b_simple_122_0M
届出業者の法人役員や重要な使用人又は個人が以下に該当する場合、届出が受け付けられません。
 ・業務廃止命令を受けてから5年間
 ・刑事罰に処せられてから5年間
 ・暴力団関係者
 ・外国法人で国内に代表者を定めていない場合 など
 

③特例業務の適用除外 b_simple_122_0M
投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして
  以下の場合、適格機関投資家等特例業務として認められません。
 ・出資又は拠出をする適格機関投資家がLPS(投資事業有限責任組合)のみであって、
  その運用資産残高(出資合計額-借入額)が5億円以上でない場合
  ※なお、5億円要件は私募の場合のみであり、運用の場合LPSのみである時点で認められない。
 ・特例業務届出者と密接に関連する者等からの出資割合が2分の1以上である場合
 

④登録業者と同等の行為規制を導入(一部抜粋) b_simple_122_0M
金融商品取引業者等と同様の行為規制が、特例業者にも適用されます。
 ・契約の概要やリスク等を説明するための契約締結前の書面等の交付義務
 ・適合性原則(顧客の知識経験等に照らし不適当な勧誘の禁止)
 ・忠実義務、善管注意義務
 ・投資家利益を害する取引行為の禁止
 ・帳簿書類の作成、保存
 ・事業報告書の作成、当局への提出等
 ※なお、特定投資家との取引については、契約締結前の書面等の交付義務、適合性原則等は適用されません。
 

⑤問題のある届出者への対応 b_simple_122_0M
これまでなかった問題のある業者への対応策が設けられました。
 ・監督上の処分(業務改善、停止、廃止命令)の導入
 ・実態把握及び投資者保護の観点から、報告徴求や立入検査を行うことができることを明確化
 ・裁判所による禁止又は停止命令の対象を、法律又は命令違反となる場合のほか、
  業務執行が著しく適正を欠き、投資者の損害拡大を防止する緊急の必要がある場合にも拡大
 ・無届出又は虚偽届出等に係る罰則の引上げ(懲役1年以下→5年以下)、
  業務停止又は廃止命令違反等に係る罰則の新設(懲役5又は2年以下)
 

⑥適格機関投資家以外の者で特例業務において相手方となる者(一部抜粋) b_simple_122_0M
予定通り、一般投資家は除外され、
  適格機関投資家以外の者については以下に定義される者のみ対象となります。
  ※ちなみに適格機関投資家の定義はこちら⇒適格機関投資家の範囲と届出

1.国
2.日本銀行
3.地方公共団体
4.金融商品取引業者等
5.ファンド資産等運用業者(金融商品取引法第2条第8項第15号に掲げる行為を業として行う者)
6.5.の役員又は使用人
7.5.の親法人等又は子法人等若しくは親法人等の子法人等(=兄弟会社)
8.5.から運用の権限の全部または一部を委託(再委託も含む。)された者
9.5.と投資判断に関する助言契約を締結している者
10.7.8.9に掲げる者の役員又は使用人
11.5(個人に限る)及び8.9.10の親族(配偶者並びに三親等以内の血族及び姻族)
12.上場会社
13.資本金の額が5千万円以上である法人
14.純資産(資産-負債)の額が5千万円以上である法人
15.特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(特殊法人、独立行政法人等)
16.資産流動化法第2条第3項に規定する特定目的会社
17.企業年金基金(但し、保有資産合計が100億円以上と見込まれる場合のみ)
18.外国法人
19.公益社団・財団法人(但し、議決権の4分の1以上を国又は地方公共団体が保有している場合のみ)
20.厚生年金基金(但し、保有資産合計が100億円以上と見込まれる場合のみ)
21.外国法令上、17又は20に相当する者(但し、保有資産合計が100億円以上と見込まれる場合のみ)
22.保有資産合計が1億円以上あると見込まれる法人
23.業務執行組合員等として保有資産合計が1億円以上あると見込まれる法人
24.4の子会社等又は関連会社等
25.12の子会社等又は関連会社等
26.13の子会社等又は関連会社等
27.14の子会社等又は関連会社等
28.保有する資産(有価証券、デリバティブ取引に係る権利等)の合計額が1億円以上、
  かつ証券口座開設日より1年経過している個人 など

なお、ベンチャー・ファンドについては、
相応の体制が整備されることを前提に以下のような者も含まれます。

1.上場会社の役員
2.資本金又は純資産額が5千万以上で有価証券報告書を提出している法人の役員
3.業務執行組合員等として保有資産合計が1億円以上あると見込まれる法人の役員
4.当該私募又は私募の取扱いの相手方となる日前5年内に1.2.3に該当していた者
5.会社の設立や合併、上場に関する業務、経営戦略の作成、
  株主総会の運営等を通算1年以上役員等の重要な地位で行っており
  且つ最後に従事した日から当該私募又は私募の取扱いの相手方となる日までが5年内である者
6.当該私募又は私募の取扱いの相手方となる日前5年内に提出された有価証券届出書において
  上位50位までの株主だった者
7.公認会計士、弁護士、税理士など

ベンチャー・ファンド特例の適用を受けるためには、以下の要件をクリアする必要がございます。
・非上場企業への株式投資等が、8割以上であること。
・原則として、資金の借り入れ又は債務の保証を行うことがないこと。
・原則として、出資者の請求により払戻しがないこと。
・出資者に対してベンチャー・ファンドである旨を記載した書面を交付すること。
・財務諸表等を作成し、公認会計士又は監査法人の監査を受け、出資者に対し監査報告書を提供すること。
・出資者に対し、事業の運営及び財産の運用状況を報告すること。
・出資者の同意を得て、ファンド資産運用者を選解任することができること。
・契約を変更する場合には出資者の同意を得なければならないこと。
・内閣総理大臣への契約書の写しを提出すること。(期限は、届出等を行った日から3か月以内) など
 

⑦既存業者への経過措置 b_simple_122_0M

法改正等の施行後、既存業者については、施行日より6か月以内に、
平成27年改正金商法、政令・内閣府令により追加された
届出事項・添付書類を提出する必要が発生いたします。 (ご注意!!!)

具体的な届出事項や添付書類については、来年1月下旬に公表される予定でおりますが、
基本的には上記①に記載させて頂いた事項及び書類を提出する形になると思います。

また、施行日における既存の適格機関投資家等特例業者については、
施行日前に取得の申込の勧誘を開始した権利に係るものに限り、
終了するまで旧法適格機関投資家等特例運用業務として行うことが出来るよう、
経過措置が設けられております。

 
【まとめ】 b_simple_122_1S

パブコメにより若干の修正は発生すると思いますが、枠組みは変わることはないと思いますので、
新規届出をお考えの方はもちろん、既存業者の方々についても『継続 OR 廃業』で悩まれる方々が多数
発生すると想定しております。(適格機関投資家をLPSにしている方が多数いらっしゃるのも現状ですし。

当事務所といたしましても、随時最新情報については発信させて頂きますので、
当該業務に関しまして、ご関心・ご相談等ございましたら、お気軽にご連絡下さい。


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