契約締結前書面(投資顧問契約)

今週は、投資助言・代理業者の方より、
投資助言業に関する契約書等の添削のご依頼をお受けいたしましたので、
今回は、投資顧問契約における「契約締結前交付書面」ついて、以下ご説明させて頂きます。
 

―金融商品取引法第37条の3―

「金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、
 あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
 ただし、投資者の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令(府令第80条)で定める場合は、
 この限りでない。 」

上記法文のとおり、金融商品取引業者は、契約締結前に契約の種類毎に規定されている事項が
記載された書面(契約締結前交付書面)
を交付しなければなりません。

当該書面に記載しなければならない事項は、下記のとおりです。
(※今回は投資顧問契約における記載事項です。
文字の大きさは基本8pt以上(記載事項によっては枠内に12pt以上)で
正確に表示する必要性がございます。
 

―投資顧問契約における契約締結前書面の記載事項―

①商号、名称又は氏名及び住所
②金融商品取引業者(投資助言・代理業者)である旨及び登録番号
③投資顧問契約の概要
④手数料、報酬その他の当該契約に関して顧客が支払うべき対価に関する事項(金額、上限額、計算方法等)
⑤顧客が行う金融商品取引行為について、金利、通貨の価格、金融商品市場における相場
 その他の指標に係る変動により、損失が生じることとなるおそれがあるときは、その旨
⑥⑤の損失の額が顧客が預託すべき委託証拠金その他の保証金その他内閣府令で定めるものの額を
上回るおそれがあるときは、その旨
⑦顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして内閣府令で定める事項
(府令第82条(共通事項)、府令第95条(投資顧問契約等に係る記載事項))

(1)共通事項
  ・当該契約締結前交付書面の内容を十分に読むべき旨
  ・政令第16条第1項第2号に掲げる事項(投資顧問契約の場合該当しない。)
  ・顧客が行う金融商品取引行為について金利、通貨の価格、金融市場における相場
   その他の指標に係る変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれが
   ある場合にあっては、”当該指標””当該指標に係る変動により損失が生ずるおそれがある理由”
  ・前号の損失の額により元本超過損が生ずるおそれがある場合にあっては、
   ”直接の原因となるもの””元本超過損が生ずるおそれがある理由”
  ・顧客が行う金融商品取引行為について、
   当該金融商品取引業者等その他の者の業務又は財産の状況の変化を
   直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある場合にあっては
   ”当該者””損失が生ずる恐れがある旨及び理由”
  ・前号の損失の額により元本超過損が生ずるおそれがある場合にあっては、
   ”直接の原因となるもの””元本超過損が生ずるおそれがある旨及び理由”
  ・租税の概要
  ・終了の事由(内容)
  ・法第37条の6(クーリング・オフ規定)の適用の有無。
   規定される場合にあっては同条第1項~第4項の規定に関する事項
  ・当該金融商品取引業者等の概要
  ・当該金融商品取引業者等が行う金融商品取引業の内容及び方法の概要
  ・顧客が当該金融商品取引業者等に連絡する方法
  ・加入している金融商品取引業協会の名称(加入していない場合、その旨)
  ・指定紛争解決機関の商号又名称
  (存在しない場合、当該金融商品取引業者等の苦情処理措置及び紛争解決措置の内容)

 (2)投資顧問契約等に係る記載事項
  ・当該金融商品取引業者等が法人の場合、
   その資本金の額又は出資の総額並びにその役員及び主要株主の商号、名称又は氏名
  ・顧客に対する投資顧問契約に基づく助言の業務の用に供する目的で
   金融商品の価値等の分析又は当該分析に基づく投資判断を行う者(投資判断者、分析者)の氏名
  ・助言の内容及び方法
  ・顧客に対する投資顧問契約に基づく助言の業務を行う者(助言者)の氏名
  ・当該金融商品取引契約に法第37条の6(クーリング・オフ規定) の規定が
   適用される場合にあっては、顧客は、金融商品取引契約が成立したとき、
   又は「契約締結時交付書面」を受領した日から起算して10日を経過するまでの間、
   書面により当該金融商品取引契約の解除を行うことができる旨
  ・前号による当該金融商品取引契約の解除は、金融商品取引契約の解除を行う旨の書面を発した時に、
   その効力を生じる旨
  ・金融商品取引業者等は、その行う投資助言業務に関して、
   顧客を相手方として又は当該顧客のために法第二条第八項第一号 から第四号 までに掲げる行為を
   行ってはならない旨(禁止行為)
  ・金融商品取引業者等は、いかなる名目によるかを問わず、その行う投資助言業務に関して、
   顧客から金銭若しくは有価証券の預託を受け、又は当該金融商品取引業者等と密接な関係
   を有する者に顧客の金銭若しくは有価証券を預託させてはならない旨(禁止行為)
  ・金融商品取引業者等は、その行う投資助言業務に関して、顧客に対し金銭若しくは
   有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、
   取次ぎ若しくは代理をしてはならない旨 (禁止行為)

 
―契約書類(締結前書面及び締結時書面並びに契約書)の変更に関する注意点―

契約書類の内容を変更する場合、変更箇所によっては、
「業務の内容及び方法書」の変更が発生する可能性がございます。
※特に“助言の内容や方法” “報酬体系” “契約期間等”を変更した場合です。

この場合には、当局へ当該変更に関する届出を、変更日より30日以内に行わなければなりません。
役員や本店が変わった場合等と違い、謄本が変わることはございませんんで、
忘れがちになる届出の1つでございます。

契約書の変更等をご予定されている方は、是非ご相談下さい。

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