外国人の会社設立と在留資格の関係について

現在、在外外国人の方が、日本で会社を設立する場合、日本に住所を有する協力者が居ないと設立が出来ません。
「日本における代表者のうち一人以上は,日本に住所を有する者でなければならない」(会社法第817条第1項)

以前(2012年7月以前)は、短期滞在で日本に来て、住民登録をし印鑑証明書が取得出来たので、
外国人1名でも設立が可能でした。
しかしながら、2012年7月9日に改正入管法が施行され、外国人登録制度が廃止され、
在留カード制度が出来たことにより、
「3月」以下の在留期間が決定された方や「短期滞在」の在留資格が決定された方に対しては
在留カードが交付されず
、住民登録が出来ないので、印鑑登録も不可能となり、
以前のような形での会社設立が出来なくなりました。

在外外国人の方が取締役の1人として会社設立することは、在外公館で署名の公証を受けた書面があれば可能ですが、
とにかく1名は日本在住の協力者が必要であるのが現状でございます。
(在日外国人の方を協力者とする場合には、経営者となれる在留資格「投資・経営」「日本人の配偶者等」「永住者」等であることが前提となります。)
 

このような問題点に関しては、昨年12月1日に開催された内閣府の第4回投資促進等ワーキング・グループでも触れられております。参考:第4回投資促進等ワーキング・グループ <議事録

議題としては、“日本に住所を有しない外国人が外国企業の子会社等を設立する際の法人登記等に関する規制の見直し”詳細や検討内容については、以下のとおりです。
(①~③全て平成26年度内に検討し、結論を出す予定。③については、結論を得次第措置する模様です。)

①外国会社の登記に関する規制の見直し

・日本における代表者の中に、日本に住所を有する者がいない時点でも外国会社(支店)の登記を可能とするかどうかを検討する。

②内国会社の日本における代表者の住所要件の撤廃

・代表者の中に日本に住所を有する者がいない場合でも内国会社の設立の登記を可能とすることについて、
「内国株式会社の代表取締役の住所について」を廃止した場合の影響を含めて検討する。

③在留資格取得要件の緩和

・新会社等を設立する準備を行う意思があることや新会社の設立がほぼ確実に見込まれることが
提出書類から確認できた外国人については、登記事項証明書の提出が無くとも入国を認めることについて検討する。

~個人的見解~
そもそも日本国内の取引先の保護の観点(訴訟をする際や過料を科す等の法律行為に住所が必要)から
このような法律になっている側面があるので、住所規定は外すのは色々と調査が必要になりそうですね。

①は、外国会社の日本支店を設置する場合、日本に住所を有する日本の代表者が必要な点についてですね。
議事録内では、外国の例を調査中というお話になっております。

②については、今年2月中に、内国会社の代表者のうち、少なくとも1人は日本に住所を有しなければ
設立登記の申請は受理できないという通知(民四第4974号民事第四課長通知)が廃止されるようですね。
(パブコメを受けてということになりますが。)

③が一番現実的でしょうか。定款等は作成可能ですので、プラス事業計画等によって設立の意思を判断することになるのでしょう。
議事録を見るととりあえず在留期間4ヶ月を付与して、在留カードの交付を受けれるような運用になりそうです。
ただ、上記②が実現すれば、日本に住所を有していなくても設立出来、謄本も取得できるので、
この運用の必要性が薄くなる気がします。
 

なお、以前の入管法改正(H26年6月18日、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案公布)でも触れましたが、今年の4月1日から、現在の在留資格「投資・経営」が「経営・管理」に変わります。

在留資格「経営・管理」の定義はこちら

“本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動”
(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)

外国資本投資の必要性が撤廃され、新たな「経営・管理」の事業規模の要件としては、
申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していることになる予定です。

イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する2人以上常勤の職員
(法別表第1の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。

ロ 資本金の額又は出資金の総額が500万円以上であること。

ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること。
 

以前と比べると明確になりましたね。
既存の日本企業(外資が入っていない企業)に経営・管理者として従事できることは、大きな点だと思います。
当然、規模だけでなく事業の計画・継続性・事業の場所等も、審査の対象となりますが。

改正案は、今年4月1日に施行を予定しておりますので、近々より詳細な事項が出てくると思いますので、
随時ご報告させていただく予定です。


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