コンプライアンス担当

金融商品取引業登録において、組織体制・人的構成の適正な整備は要件の1つとなっております。
※整備できていない=登録拒否事由となっております。

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【登録の拒否】 金融商品取引法 第29条の4第1号ホ及びヘ(抜粋)
内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、
又は登録申請書若しくはこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに虚偽の記載若しくは記録があり、
若しくは重要な事実の記載若しくは記録が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

ホ 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者
ヘ 金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者
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経営や営業、運用・助言・分析、内部管理、監査など、各ポジションにおいて
それぞれ相応の知識・経験者が求められますが、
その中でも重要なポジションが「コンプライアンス担当者」となります。

今回は、現在進行中の案件もございますので、
投資助言・代理業登録手続におけるコンプライアンス担当者の適性について、ご説明させて頂きます。
 

先ず、投資助言・代理業におけるコンプライアンス担当者の業務としては、以下のものが挙げられます。
あくまで一般的な業務例です。

役職員に対する、法令等遵守に関する指導、監督
コンプライアンス報告書の年1回作成およびその内容等の周知徹底及び指導
法令等遵守及び顧客対応等に関する内部研修の実施
役職員からのコンプライアンスに関する相談への対応
広告に関し、その内容及び掲載方法等の事前確認
顧客からの質問、苦情、契約解除の申し入れ等に関し、対応方法等のアドバイス
法定書面(契約締結前及び契約締結時(契約書)交付書面)に関し、その内容及び交付方法の事前確認
法定帳簿、説明書類、事業報告書の保管状況や内容についての確認
上記の他、法令等遵守に必要と認める事項に関する指導、助言

続きまして、担当業務を行える能力・資質を持つと判断される者についてですが、
これまでに登録することが出来た事例を基に、以下挙げさせていただきます。
なお、登録手続においては、コンプライアンス担当者として
 指導や法規制等の知識・経験の十分性を書面(文章)にて説明しなくてはなりません。

list_008_d-transケース1:『過去に金融商品取引業者においてコンプライアンス担当としての従事経験がある場合』

◆従事期間については、3年程度を目安と考えております。
 期間については、監督指針等にも明確な規定はないのですが、これまでの経験上3年程度は必要かと思います。
 ただし、それ以下の場合でも例えば後述する「資格」を保持していたり、複数名体制であったり、
 顧問弁護士に補佐して頂いたりして、登録されたケースもございます。

◆ここで注意して頂きたい点として、当該登録は金融商品取引法や内閣府令等によって運用されておりますが、
 この金融商品取引法は、平成19年(2007)9月30日に施行されたという点でございます。(重要)

 時々見かけるのですが、確かに過去にコンプライアンス担当者としての従事経験はあるのですが、
 それが金融商品取引法施行前である場合がございます。
 施行前ですと(証券取引法や投資顧問業法)が運用法になり、
 その時期のコンプライアンス担当従事経験については、
 金融商品取引法の知識・経験として基本的に認められません。(注意)
 
 もちろん、全くの無意味ではございませんが、現行法である金融商品取引法については、
 施行日以降、どのような形で知識・経験を得たかが問われてまります。
 (例えば直近でコンプライアンス研修を履修した等)
 
 この辺りは、経営や実務の経験と違って参ります。
 経営や実務については、金融商品取引法施行前でも基本的にその従事経験について、
 現行登録上、知識・経験として認められます。
 (業種や扱う金融商品により認められない内容もございますが。)

【コンプライアンス担当として有用な資格について】

・弁護士
 基本的には、金商業関係の事案を扱った経験のある方であればOK

・内部管理責任者資格保持者
 受験資格として、協会員の役員又は外務員を持っている使用人で、
 かつ所属の金融機関から申込するしか方法がないので、
 この資格をお持ちの場合には、金商業者での従事経験が当然にあります。
 ただし、内管資格者=コンプライアンス担当経験者では必ずしもないので、
 知識としては認められても経験の面で不十分として、資格を持っているだけでは
 コンプライアンス担当者として認められるのは難しいです。
 (なお、ここでも資格取得日が金商法施行日前後の別が影響して参ります。)

・外務員資格保持者
 外務員資格試験には、商品業務の実務的、専門的知識から
 コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項についても出題されますので、
 知識としては、ある程度認められますが、内部管理責任者資格と比べると
 コンプライアンスの包括的な指導や対応については、範囲外と見做されます。
 また、受験資格制限もございませんので、やはりこちらもこの資格があるだけでは、
 コンプライアンス担当者としては認められないのが現状でございます。

・業界団体や協会などが開催する研修会の履修者、講習者
 あくまで補足的な面がございますが、研修内容や期間等によっては、
 登録上有利に働いてまいります。

 
list_008_d-transケース2:『コンプライアンス担当者を外務委託する場合』

◆どうしても役員や使用人としてコンプライアンス担当者が見つからない・決まらない場合には、
 コンプライアンス業務自体を外部委託することも認められております。
 基本的には、弁護士の方にお願いする形となります。
 ※過去には行政書士の方でも登録いたしましたが、
  その方は金融畑の出身者ということで、かなり例外的なケースでした。
 
◆一般的な顧問(補佐的な地位)であれば、外部委託先である弁護士について経歴などは問われませんが、
 外部委託になるとコンプライアンス業務が一任されますので、弁護士についても経歴が重要となります。
 (登録の際には、業務委託契約書(草案)や弁護士の経歴書等を提出いたします。)

◆外部委託の場合の問題点としては、以下のケースがございます。
 ①金融関係を専門とする又は扱った経験がある弁護士・行政書士が中々見つからない。
 ②見つかった場合でも、外部委託は受けて頂くことが出来ない。
 (責任問題等の点で拒否されるケースがございます。)
 ③報酬額が高額になる場合が多いので、金銭的な面で折り合いがつかない。

 
 
10年近く当該登録に携わって参りましたが経験上、上記2つのケース以外での登録は難しいのが現状でございます。
(あくまでコンプライアンス担当の点においてですが。)

例えば、金商業者での経験がない場合だと、
他にどのような方法で金融商品取引法の知識や実際の指導・助言経験を積めるのか?ということになります。
※もちろん、業務内容やその方の経歴・資格等によっては
 例外的なケースで登録している場合もゼロだとは思いませんが。

沢山ご相談頂く中で、やはり登録の鬼門は「コンプライアンス担当者」 であり、
また、それ以外の担当者も含め、適任者が見つからずSTOP・諦めざるを得ない等の事案が多く見受けられます。
※その他(経営・投資判断者・内部監査担当)の人的要件については、
 ブログ「投資助言・代理業登録の人的要件」をご覧下さい。

許認可ではつきものですが、特に金融商品取引業登録は、を確保できるかが最重要課題となります。
(資産要件や作成すべき書類等も当然重要なのですが、それらは何とかなる場合が多いので。)

登録をお考えの方は、先ずはお気軽にご相談(03-5954-5356)頂ければと思います。


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