貸金業登録

本日、金融庁から、貸金業関係資料集(平成27年3月末の業務報告書等)が公表されましたので、
今回は、貸金業登録について、以下ご説明させて頂きます。
(改正貸金業法施行後は、ご相談件数自体が少ないので、当事務所ではほとんど扱ってはおりませんが。)

◆金融庁 「貸金業関係資料集の掲載について」
 http://www.fsa.go.jp/status/kasikin/20150930/index.html
 

改正貸金業法の経緯

多重債務問題の解決と貸金業務の適正化を目的として、
「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」が
平成18年12月10日に成立し、同月20日に公布され、その後、以下の流れで段階的に施行されました。
(施行内容については、主たるものを一部抜粋しております。)

平成19年1月20日(1条施行)
・無登録営業の罰則の強化(10年以下の懲役又は3千万円以下の罰金へ引き上げ)

平成19年12月19日(2条施行)
・法律の名称が、「貸金業法」へ変更
・貸金業者の登録要件の強化
・債務者等からの帳簿の閲覧・謄写の請求拒否の禁止
・取立て規制の強化
・業務改善命令の創設
・日本貸金業協会の設立

平成21年6月18日(3条施行)
・財産的基礎要件の引き上げ(第1段階)
・貸金業務取扱主任者の資格試験(国家試験)の導入

平成22年6月18日(4条施行=完全施行)
・資格試験に合格し、国に登録した貸金業務取扱主任者の必置化
・財産的基礎要件の引上げ(第2段階)
・利息制限法で定める制限利率を超える契約締結の禁止及びみなし弁済規定の廃止
・契約内容を説明する書面の契約締結前の交付の義務化
・過剰貸付けに係る規制の強化(返済能力調査の義務化、年収の3分の1を超える貸付の禁止)
・出資法の制限金利の引き下げ


貸金業者数の推移を見ますと、10年前のH17.3月末と比べて、
H27.3月末では、財務局登録業者数は450ほど減り、都道府県登録業者数は10分の1以下になっており、
トータルで1600近く業者数が減っております。(登録の相談がほとんど無いのも納得です。)

◆金融庁 貸金業者数の推移等
 http://www.fsa.go.jp/status/kasikin/20150930/03.pdf

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しかしながら、登録自体は参入要件をクリア出来れば可能でありますので、
具体的な「貸金業登録」の参入要件について、以下ポイントをまとめさせていただきます。
なお、貸金業登録を受けなければならない者は、下記(1)(2)のとおりです。

(1)金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介を業とおして行う者
(2)手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付
   又は当該方法によってする金銭の授受の媒介を業として行う者

※営業所又は事務所のすべてが2つ以上の都道府県の区域にある場合は、財務局長登録となり、
 1つの場合には都道府県知事登録となります。

pin参入要件

①代表者又は法人役員に貸付けの業務(※)に3年以上従事した経験を持つ者を配置しなければならない。
契約の締結、金銭の交付、債権等の回収業務。総務・人事・経理業務等は除く。

②営業所毎に、貸付けの業務に1年以上従事した経験を持つ者を配置しなければならない。
 なお、上記①の者が兼務することが出来る。
 =本店(1か所)のみで営業する場合には、①の者1名で対処可能

③営業所毎に、貸金業務取扱主任者を設置しなければならない。(貸金業務従事者50名に1名以上の割合
◆日本貸金業協会 貸金業務取扱主任者制度とは
 http://www.j-fsa.or.jp/chief/howto/index.html

④法人役員等が欠格要件(成年被後見人、被保佐人、復権を得ない破産者等)に該当しないこと。

⑤純資産(資産ー負債)が5,000万円以上であること。

⑥定款目的に、「貸金業、金銭の貸付け、融資」が入っていること。

⑦貸金業の適正な運営に資するため、十分な社内規則を定めていること。
申請の際には、添付いたします。

pin登録後の注意事項

①行為規制について
・夜間に加えて日中の執拗な取立行為など、取立規制を強化
・貸付業者が、借り手等の自殺により保険金が支払われる保険契約を締結することを禁止
・公正証書作成にかかる委任状の取得を禁止
 利息制限法の金利を超える貸付けの契約について公正証書の作成の嘱託を禁止
・連帯保証人の保護を徹底するため、連帯保証人に対して、催告・検索の抗弁権がないことの説明を義務付け
・貸付けにあたり、トータルの元利負担額などを説明した書面の事前交付を義務付け

②総量規制について
・貸金業者が個人へ貸し付ける場合には、返済能力調査が義務付けられ、
 また、個人への貸付けについて、下記(1)(2)の場合には、
 貸金業者に年収等を証する資料の取得が義務付けられました。

  (1)自社からの借入残高が50万円超となる貸付け
  (2)総借入残高が100万円超となる貸付け

 なお、調査の結果、総借入残高が年収の3分の1を超える貸付けなど、返済能力を超えた貸付けは禁止
 ※売却可能な資産がある場合などは除く。

③金利について
・出資法の上限金利を20%に引下げ(グレーゾーン金利廃止)

④その他の手続
・登録は3年毎に更新が必要
・変更届や事業、業務報告が適宜必要
 

以上のとおり、登録としてはかなりハードルが高い手続となっております。
上限金利の見直し等の話も出ておりますが、参入要件については、今後も変わらずだと思われます。
登録等に関しまして、ご相談がございましたらお気軽にご連絡(03-5954-5356)お願いいたします。


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